出来高はトレンドの始まりと終わりを表す重要なサインと言われています。というのは、出来高が急激に増えてくると上昇トレンドをさらにブレイクすることが頻繁にあるからです。
株価が上昇していても出来高が伴っていない場合、ダマシの可能性が高く、値は上昇しきれずに下がってきます。もちろん絶対にこうなるということではないのですが、この可能性は高いです。
出来高を意識してみているとチャートの中で出来高が補強の役割をしていることがわかります。そこで、出来高を見るポイントを書いてみます。
チャートの基本中の基本とは
出来高について説明する前に、まずはチャートの基本を確認してみましょう。チャートをみるときのポイントは、こちらの6つです。
- トレンドライン
- サポート・レジスタンスライン
- 出来高
- 移動平均線
- ローソク足
- ギャップ
全体的な流れを知るには、トレンドライン、サポート、レジスタンスを引いてみます。ラインがあるだけで、上昇なのか下降なのか、あるいはレンジなのかはっきりします。
例えば、上昇トレンドが続いているときに株価が反落して下降トレンドに変わることがあります。この転換期を推測するためのサインになっているのが出来高です。
もちろん確実に「こうなる!」ということではありません。でも、高値付近で大出来高になったら、株価が大きくかわるタイミングになる可能性が高いです。
信頼性の高い出来高の変化とは
これまでほとんど変化のなかった株値で急激に出来高が増えてきた場合、トレンドが発生した可能性が高くなります。こちらをご覧ください。
出来高が急激に増えるとともに、上昇トレンドが形成されていますね。ただこれとは反対に、出来高が急増して下降トレンドが形成されることもあります。ということは、出来高だけをみてもどちらの流れになったのか推測するのは困難です。
そこで、値上がりする可能性と値下がりする可能性を判断するために出来高が増えてきたらロウソク足も見て下さい。もしもこのとき陽線がでていたら、上昇トレンドになる可能性が高くなります。
これは、上昇トレンドに転換したかのように見えましたが、長い上髭がでているためそれが打ち消されたケースです。
また、全体的な流れが、下降トレンドもしくは揉み合いの状態になっている場合、急激に出来高が増えると上昇トレンドに転換することが多いです。
ところが、すでに上昇トレンドにあった銘柄はこの限りではありません。たとえば、上昇トレンドもしくは高値付近で揉み合いが続いている銘柄で、ザラ場中に出来高が急増したときは、下降トレンドに転換した確率が高くなります。
特にロウソク足に長い上髭が出現していたら、それ以上の上昇は見込めない確率が高くなります。
しかし、出来高に大きな変化が見られないか、もしくは減っている場合、さらに上昇していく可能性が高いので、押し目買いのチャンスになることもしばしばです。
その一方、株価が揉み合いか反落をくり返しているのに、出来高がどんどん急増している場合、株価上昇の勢いが弱まっていることが多いです。
なので底値付近で購入していたら、売りのサインともいえるはずです。また抵抗線を超えて出来高が急に増加した場合はブレイクアウトのサインになります。
出来高を見る時の注意
東証2部や新興市場などには、出来高が非常に少ない銘柄が数多く存在します。市場規模が小さい銘柄は出来高が伴わない場合でも、株価が急騰・急落することがあります。
出来高が指標にならない銘柄は予想が外れることが多くなるので、できればトレードの対象から外したほうが無難です。
また、出来高の数ですが、スイングトレードの場合このくらいを目安にするといいと思います。
- 1,000 株単位で20 万株~30万株以上
- 100 株単位で2 万~3万株以上
- 1 株単位で200 株~300株以上
デイトレならば、このくらいの出来高は欲しいです。
- 1,000 株単位で100 万株~200万株以上
- 100 株単位で10 万株~20万株以上
- 1 株単位で1,000 株~2000株以上
こちらはプロが目安にしているおおよその出来高ですが、この目安には個人差があります。
最後に
知識を増やしても、実際に体験しないと上手くいくのかどうか判断するのが難しいですよね。始めから本番というのも、不安になります。
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それから、株投資関連の参考書はすごくいっぱいありますね。中にはすごく高額な教材もあります。もし、どれから読んだらよいのか迷っている方には、「渋谷高雄株式投資大百科」をおすすめします。
こちらの内容を把握すれば、株式投資の本を数十冊くらい読んだのと同じくらいの知識にはなるはずです。
基本中の基本を学びたいということなら役に立つと思います。ボリュームのある教材なので、一度に全部の内容を把握するのは大変ですが、けして複雑ではありません。コツコツ勉強したい方には向いている教材です。
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正しく活用すれば、利確が速すぎたり、株が塩漬けになったりすることも回避できると思います。