ブログやサイトを運営していくと止む追えない事情でURLを変更しなければならいこともあると思います。この場合、元のブログに移転先のアドレスを記載しておけば、ブログの訪問者へ引っ越し先を知らせることが出来ます。


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ただ、ブログを移転したときには、もともとのブログが持っているドメインパワーも引継ぎたいですよね。でも、新アドレスを旧アドレスに表記するだけでは、元の評価を受けることが出来ません。


アドレスの変更を検索エンジンに知らせる処置をしておかないと、せっかく得ていた評価をすべて失うことになるので注意が必要です。


クローラーの評価は、URL別になっています。ですので、もともとのURLが高く評価されていたとしても、新しいURLでは全く別のページという判断がされてしまうのです。


このままでは、せっかく培ったドメインパワーを失ってしまいます。これは何とかしなければなりません。


そこで当記事では、元々の評価を保有したまま新規ドメインへ移転する手順を紹介します。






検索エンジンの評価を引き継ぐためのリダイレクト処理

SEOを考慮するならば、原則、ドメインの変更はしないほうがいいです。ただ、無料のブログサービスなどを利用している場合、そのサービスが終了してしまうということがあるかもしれません。


また、いくつかブログを運営していて、それをひとつにまとめたいといったこともあるはずです。


通常、ブログの運営年数が長くなると検索エンジンの評価も高くなりますから、元のドメインが持っているドメインパワーも一緒に移行したほうが有益になります。


こういった時に使用するのが、リダイレクトです。これをしておくことで、元々のURLが持っている検索エンジンの評価を新しいURLに引き継がせることが出来ます。


リダイレクトとは、ユーザーが特定のURLへアクセスしたときに新しいURLへ自動転送する仕組みのことです。


たとえば、リダイレクトの処理をすることによってold.comにアクセスすると、自動的にnew.comへアクセスすることが出来ます。


リアルライフなら、現在住んでいる場所から新しい場所へ引っ越した場合、郵便局に新住所の届けを出しますよね。そうすることによって、古い住所に何かが届いても、新しい住所のほうへ届けてもらえます。


ユーザーはアドレスの違いを認識することなく新しいURLにアクセス出来ますし、古いURLのドメインパワーも引き継ぐことになるので、設置しない手はありません。


301リダイレクトと302リダイレクト

リダイレクトには、「301リダイレクト」と「302リダイレクト」の2つが存在します。301リダイレクトとは、永久的に移転することで、302リダイレクトは一時的に移転することです。


301リダイレクトにした場合、完全な引っ越しという意味なので元のURLには戻りません。しかし、302リダイレクトにするなら、将来は元のURLへ戻る可能性も出て来ます。


301も302もリダイレクトであることに変わりはないので、どちらでも問題がないように思ってしまいがちですが、古いURLのリンク評価を新しいURLに引き継がせるには、必ず「301のリダイレクト」にします。


302にするとドメインパワーを引き継ぐことができないので、ここは注意が必要です。


リダイレクトの方法

リダイレクトには2つの方法があります。一つは「.htaccess」にコードを追加する方法、もう一つは「METAリフレッシュタグ」を使用する方法です。


ただGoogleはMETAリフレッシュタグを使用するのではなく、.htaccessで対処することをすすめています。そこで、.htaccessを使ったリダイレクトを紹介します。でもこれは、ディレクトリ構造が同じ場合に使って下さい。


.htaccessを使ったリダイレクト

まずは.htaccessのファイルを開きます。


これは重要なファイルなので、ファイル内のコードを削除したり、編集に誤りがあったりすると、ワードプレスの管理画面にアクセスできなくなってしまいます。


なので、このファイル内に記載されているコードを編集するときは必ずバックアップをとっていきましょう。


もし、エックスサーバーを使用しているなら、このファイルをダウンロードしておけば、問題が生じたときでもファイルをすり替えるだけなので簡単です。


そこでコードを追加するまえに、エックスサーバーから.htaccessファイルをダウンロードしておきましょう。


これなら失敗しても安心です。


エックスサーバーから.htaccessをダウンロード

まずは、インフォパネルにログインします。


エックスサーバー


login

ご契約一覧にある「ファイルマネジャー」のログインをクリックします。

filemaneger-login

.htaccessファイルをダウンロードするドメインをクリックします。

domain-select

「public_html」をクリックします。

public-html

.htaccessをクリックして、ダウンロードします。

select-htaccess

これでバックアップの完了です。

.htaccessに301リダイレクトのコードを追加する

次に.htaccessにチェックをいれて、ファイルの操作の編集をクリックします。

htaccess-edit

ただ、失敗した場合、致命的な欠陥になることもあるので、ダウンロードしたファイルをコピーして、それに編集を加えたほうが安全です。


編集画面を開いたら、ファイル名の文字コードを「UTF-8」に設定します。そしてその一番上に次のコードを貼り付けます。


これで301のリダイレクトの完了です。

サーバーパネルでの変更方法

.htaccessファイルは、サーバーパネルでも編集が可能なので、こちらも説明します。


まずはサーバーパネルにアクセスします。


serverpanel-login

画面の左下にある設定対象ドメインから編集を加えるドメインを選択します。

domein-choice

「.htaccess編集」をクリックします。

.htaccess-edit

「.htaccess編集」をクリックして上のコードを画面の一番上にコピペしてから「.htaccessを編集する(確認)」をクリックします。

htaccess-confirm

「.htaccessを編集する(確定)」をクリックします。

htaccess-complete

これで、サーバーパネルでの301リダイレクト処置は完了です。


アドレスと一緒にサーバーを変更するときのポイント

新ドメインへ引っ越しをしたときに、サーバー会社も一緒に変更することもあるかと思います。この場合、移転元のサーバーはすぐに解約するのではなく、少し重複期間を設ける必要があります。


というのは、サイトの引っ越しを完了したとしても、クローラーがすぐに巡回してくれるわけではないからです。サーバー会社を変更した場合、IPアドレスも変更されている可能性が高くなります。


サーバー会社を変えた場合、ネームサーバーにも変更を加えている思います。そこで、移転先のサイトのログを解析して、クローラーが新しいIPアドレスからページ情報を取得しているか確認していきましょう。


クローラーの訪問が確認できたら、サーバーを閉鎖してもO.K.です。


移転元のドメインの注意点

ブログの引っ越しが完了したら、元のドメインは解約してしまってもいいようですが、新しいドメインに力がついてくるまでは継続して所有しておいて下さい。


というのは、すぐに解約してしまうと、過去のSEO資産を引き継ぐことができないからです。最近のドメイン維持管理費は、かなり価格が抑えられています。ですので、新しいドメインに力が付いてくるまでは、保有していきましょう。このほうがメリットになるかと思います。


TLDの違いはランキングに影響しない

新規のドメインを取得するときのポイントですが、.comや.jpといったTLD(トップ・レベル・ドメイン)の違いが検索順位に影響するという記事を見かけます。


でもこれは事実ではなく、goolgeも公式に公表しています。検索エンジンはユーザーにとって有益になるコンテンツを表示したいので、.comや.orgといったドメインが必ずしも質の高い情報を含んでいるとは限らないからです。


私も「人気の高いドメインのほうが検索で有利になるのでは!」と思っていた時期がありましたが、言われてみればドメイン名=有益なコンテンツとはならないので、ドメイン名が検索順位に影響するとは考えにくいです。