最近、テレビでもAIをテーマにしたニュースが増えてきました。ほとんどの職業をAIがこなすようになるとさえいわれています。機械に職を奪われる時代の到来です。なかでも、ひと足はやく職場におおきな変化が出始めているのは金融業界です。

人工頭脳の未来予想

投資ファンドが超高速取引きをしている詳細についてはこちらの記事を参考にできます。

AIは超高速取引きに限らず、近い将来、株価の予想もできるようになるはずです。そこで、月々たったの数百円からAIの予想を知ることができるサービスをご紹介します。






人工頭脳(AI)による取引が主流になると消える職業

今年5月、アメリカのニューヨークで金融関連のイベント「バトル・オブ・ザ・クオンツ」が開かれました。クオンツとは理系の知識、例えば数学や物理を駆使して、金融商品や新しい投資の手法を開発する専門家のことです。


イベントには世界各国から投資ファンドなど16社が参加。3ヶ月のあいだ自分たちが開発したAIを使って株式や先物市場で取り引きを行い、どれだけの利益を得たのか競い合いました。その結果は、トップのファンドは48%の運用利回り、上位3社も利回り率20%という高い水準でした。


人工頭脳を使った取り引きは、これまでのトレードスタイルを覆すものです。本来のトレーディングルームでは、ディーラー達が躍起になって経済指標や市場の値動きを見張っています。


相場に変化が生じると、即座にそのニュースを周りに知らせなくてはいけないので、現場は通常叫び声が飛び交い、活気で溢れています。電話も頻繁に鳴り響くことから、なんとも騒々しい場所です。


一方、人工頭脳が搭載されたトレーディングルームは「し~ん……」としていて、パソコンのファンの音くらいしかしません。AIが人に変わってトレードをするため、トレーダーの必要性はありません。


ただし緊急事態に備えて、僅かですが、AIを管理する人は側に控えています。人工頭脳を管理するために必要な知識、たとえば数学や物理の専門家がじーっと座って、株式市場のスクリーンを眺めています。


たくさんのトレーダーを抱える時代はすでに終わり、数名の優秀な理系の人材を確保できれば、これまで以上に利益を狙えるトレードが可能です。つまり、トレーダーは今後消えゆく職業になります。


しかし、人工頭脳を使った超高速取引を巡り、アメリカでは議論が巻き起こっています。というのも一部の超高速取引の仕組みに詳しい専門家が「超高速取引が市場の公平性を失わせている」と指摘しているからです。


投資ファンドなど、一部だけが有利になる条件で取り引きを行えば、個人投資家などの信頼を損なうことになるなどの意見もあります。さらに、超高速取引が株価を極端に乱高下させる発端になるとの懸念の声も広がってきています。


2010年5月に起こった「フラッシュ・クラッシュ」を覚えている方も多いでしょう。あの時は、ダウ平均株価がたった数分間のうちにおよそ1000ドルも下落し、一時的に株式の時価総額のおよそ120兆円以上が失われるという大事件が起こりました。


ある投資ファンドが行なった大量の誤発注が直接の原因とされていますが、市場の関係者は超高速取引会社が下落幅をさらに拡大させることになったとみています。


コンピューター科学者もAIヘッジファンドを設立

いまや経済や金融の専門家ではない人達も、この分野に参入するようになりました。アップルの音声アシスタント「Siri(シリ)」の開発にも携わったババク・ホジャットさんもその一人です。


ホジャットさんはコンピューター科学者ですが、IT業界のプロを集めて、100%人工知能(AI)に株価の予測を任せる新興ヘッジファンド、センティエント・テクノロジーズを設立しました。


ホジャットさんは株価が暴落などを起こすのは、人間の感情がトリガ-になっているからで、人の直感や説明に依存する方が、データや統計から推測される予測に依存するより危険であると主張しています。


センティエント・テクノロジーズの戦略は、過去10年近くにわたる膨大なデータを調査してトレンドを見つけ出し、ディープラーニングの技術で株価を予想することです。同社のチームは、AIの活用によってウォール街のプロ達よりも優位な立場に立てる見通しを立てています。


日経平均株価を予想するGrowin

Growinは経済ウェブメディアのMoney Voiceに掲載された日経平均株価を予想するAIです。過去3年間の的中率は75%になるので、かなり信憑性の高いツールになります。


まずは実績を見てみましょう。この表は売買資金を50万円と仮定した場合で、購入は月末の終値になります。もし、月末が土日祝日の場合は、前営業日の終値が購入価格です。


また利益確定日は月末の営業日になります。損益シミュレーションは日経平均連動型ETF投資信託を売買したケースを元に作成されています。


日経平均株価予想2017の後半日経平均株価予想2016の前期日経平均株価予想2016の後期日経平均株価予想2015の前期日経平均株価予想2015の後期

2015年や2016年に比べて2017年の勝率は高くなっています。GROWINは月末の営業日16時に翌月の月末時における日経平均株価終値を予測し、発表するサービスです。


どのような仕組みになっているかといえば、Growinで使われているのは、DTW距離算出アルゴリズムです。DTWはDynamic Time Warpingの略になり、長さの違うベクトル同士の類似度を算出する方法になります。


AIが過去30年分(7000パターン)の株価指数をサンプルデータとして学習し、当月の指数データと過去のデータを照らし合わせて一番似ていた月を算出しています。同じような動きの月が過去にある場合、次の月のデータも似てくる可能性が高いと判断します。


日経平均株価予想根拠

実績を見る限り全体的には良いサービスです。サービス料金も3ヶ月コースなら月々700円、6ヶ月コースなら月々500円、12ヶ月コースになると月々400円なので、良心的だと思います。